Greeheartと呼ばれる木製のパーツ2本をつなぐ構造のロッドで、このセットは持ち手部分のパーツ1本と先端部分のパーツ2本、オリジナルの収納用竹筒の計4点で構成されています。収納用竹筒がセットされた釣り竿はそれほど多くないようなので、作られた頃には富裕層向けのかなりの高級品だったのではないかと考えています。パーツの接続部分は古いタイプと同じ差し込み式ですが、加工技術の進歩などでこの時期には固定用の留め金などは不要になったようです。糸を通すガイド部分も針金を曲げたいわゆる“sake guide” からリング状のガイドに移行する過渡期だったようで、このロッドには楕円状のガイドが採用されています。C.Farlow社は1840年創業とされていますが、持ち手部分の金具に刻まれている“C.Farlow u0026 Co. LTD” という商号は1894年から使用されたようなので、おそらくそれ以降に作られたものですが、それでもアンティークの領域に入るような年代物といえそうです。時代を経た傷や汚れがあり、実用は難しいと思いますが、収納用竹筒の状態なども時代の割にはかなり良いので、ビンテージリールを取り付けて壁などに飾れば、レトロな雰囲気や歴史的な価値をお楽しみいただけると思います。キーワードアンティークビンテージフィッシングタックルフライリールフライロッドロッドロンドン